この「過労死防止大綱」は、「過労死等防止対策推進法」、別名「過労死防止法」の基本方針を定めたものとなっており、厚生労働省所管であり、過労死被害者遺族、労働組合、経営者、学識者などから構成される「過労死等防止対策推進協議会」によってまとめられたものです。更に、これからは一般国民の意見も取り入れていくという予定となっているので、国民の声が反映された施策となる可能性があります。国がきちんと過労死の問題に対し取り組みを始めているということです。
もしかしたら、日本全体の労働時間は減少の傾向にある、ということを知っている人もいるかもしれませんね。しかし、それはパートタイムなどで働く労働者が増加しているためであり、一般労働者の労働時間は2000時間前後とかなり高い数値の状態が続いているというのが事実なのです。
この日本人の労働時間は海外と比較してもかなり長いものとなっています。更に、週に40時間以上の時間外労働を強いられているケースも多く見受けられ、週60時間の労働者もかなりの数になることが2014年の調査でわかっています。休日に関してもかなり少なく、正社員の16%が一日も有給休暇を利用していないこともわかっています。他にも仕事や職業に関することで強い不安、悩み、ストレスを感じているという労働者の割合も半数以上であるという結果もあり、日本の労働環境が厳しいものであることが数字になって現れているのです。
そうした結果を受け、上記の大綱案では、将来的に過労死をゼロにすることを目標として掲げました。そのために、週労働時間60時間以上の雇用者の割合を5%以下にするなどの数値目標を2020年までに実現することを目指しています。
国としては今後3年以内を目標とし、全ての都道府県でシンポジウムを開催することも計画しています。これは労働の激務による辛さ、心身の不調を感じた人がすぐに相談できる、サポートを受けられるという体制を整えていくためのものです。また、2014年の警察庁の統計によると激務をはじめとした労働に関する辛さが原因の自殺者が2,227人となっているのにかかわらず、未遂を含めた過労自殺の労災認定では、僅か63人となっており、大きな差が生まれています。この差異についても考慮し、自殺による過労死を防ぐために、より様々な観点から調査を進めるようにしていくとしています。
激務で辛いと感じる大きな要因としては、長時間の残業も挙げられるでしょう。実際、「せめて残業さえなければ・・・」と思っている人も多いようです。そこで、残業をせずに定時で帰るための仕事術について説明していきます。合理的な仕事のやり方を身につけることで、残業が大幅に減らせるようになります。しっかりと定時に帰れるようになれば体の疲れもストレスもかなり楽になるでしょう。 続きへ
日本の労働環境に関する相談事をする機関といえばやはり労働基準監督署が真っ先に思い浮かぶでしょう。激務に苦しめられ、実際に利用したことのある人もいるでしょう。しかし、多くの人はそういった機関があることは知っていても実際に利用したことは少ないのではないでしょうか。ここでは真っ先に相談するべき労働基準監督署について説明していきます。 続きへ
日々の激務に慣れている人は、「自分は平気」と感じているかもしれませんが、知らず知らずのうちに心身ともに疲弊してしまっているかもしれません。自分のことというのは意識しなければなかなかわからないものです。そこで、必ずチェックしておくべき限界超過時に現れるサインについて説明していきます。自分に当てはまるものがないか確認しましょう。 続きへ